前回は厳選して「2冊」をご紹介いたしましたが、今回はより細分化して、レベルを分けてご紹介させていただきたいと思います。
入門編
1ページずつ学ぶ文字レイアウトの法則
こちらの書籍はその名の通り、1ページ完結で、文字に関して知識やレイアウトの作法等を身に付けることができます。また、実践的なテクニックや事例も豊富に紹介されているため、デザイン初学者の方から中級者くらいの方まで、幅広い読者層に役立つ一冊となっています。
レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方
こちらの書籍は、文字間の調整に焦点を当て、「レタースペーシング」の基礎から応用までを詳しく解説してくれています。独学だとなかなか会得しにくい技術ではありますが、実践的なアドバイスや事例が多数掲載されており、読者がより効果的なレタースペーシングを実践するためのヒントが散りばめられています。
レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方
図解で知る 欧文フォント100
こちらは、欧文フォントに特化した書籍で、100種類の欧文フォントを図解入りで紹介、それぞれの特徴や用途について詳しく解説されています。欧文フォントのデザインや使い方について学びたい方や、欧文フォントの選び方に迷っている方には特におすすめの書籍です。
中級クラス
デザインワークにすぐ役立つ欧文書体のルール
欧文書体の基礎から応用までを解説しており、どのような欧文書体を選ぶべきか、どのように組み合わせるべきか、どのように使い分けるべきかなど、デザインに必要な知識を詳しく解説くれています。また、欧文書体に関する用語や歴史的背景についても解説されており、欧文書体に関する幅広い知識を習得することができます。
さらに、本書では実践的なアドバイスや、欧文書体のデザインに役立つテクニックが多数掲載されています。デザインの現場で即座に活用できるような、具体的なノウハウが盛り込まれており、デザイン初心者から上級者まで、幅広い層に役立つ一冊です。
全体的に図解が多数掲載されているためわかりやすく、直感的に学ぶことができます。欧文書体のデザインに関する基本的な知識から、実践的なノウハウまで、幅広く網羅されているため、欧文書体のデザインに興味のある方には特におすすめの書籍です。
新標準・欧文タイポグラフィ入門 プロのための欧文デザイン+和欧混植
欧文タイポグラフィに必要な基礎知識から、実践的なタイポグラフィに関しての所作を詳しく解説してくれています。和欧混植(合成フォント)における和文の書体選びや組み合わせ、欧文とのバランスの取り方など、和欧混植に関するデザインのポイントが多数掲載されています。
豊富な実例や図版を用いたわかりやすい解説が特徴であり、欧文タイポグラフィと和欧混植に興味があるデザイナーや、グラフィックデザインを学ぶ方には非常に役立つ一冊です。
新標準・欧文タイポグラフィ入門 プロのための欧文デザイン+和欧混植
欧文書体のつくり方 美しいカーブと心地よい字並びのために
書体制作の基本的な考え方やなどが詳しく解説されています。特に、美しいカーブや心地よい字並びを実現するためのテクニックやポイントを重点的に取り上げており、初心者でもわかりやすく説明されています。
また、オリジナルの欧文書体の制作例も紹介しており、初心者から上級者まで、幅広い層の読者にとって役立つ内容となっています。視覚的な補正の仕方(オーバーシュート等)ロゴタイプの精度を上げられたい方にもとてもオススメの一冊になります。
グリッドシステム グラフィックデザインのために
グラフィックデザインにおいて重要な役割を担うグリッドシステムの理論や実践的な活用方法を解説した書籍です。著者のヨゼフ・ミューラー゠ブロックマン氏は、スイスを代表するグラフィックデザイナーの一人であり、グリッドシステムを確立したパイオニア的存在として知られています。
本書では、グリッドシステムの基本的な理論やデザイン原則、種類などについて詳しく解説されています。また、グリッドシステムを使用したレイアウトのデザイン例や、グリッドシステムを使ったタイポグラフィの設計方法なども豊富に紹介されています。
さらに、グリッドシステムを使ったポスターの制作や、書籍や雑誌のレイアウトの設計など、これらの実践例を通じて、グリッドシステムを効果的に活用するためのヒントやコツがわかります。
より深く学ぶために、、、
欧文書体百花事典 普及版
欧文書体の概要や歴史的な背景、特徴的なデザインなどを解説した図解入りの百科事典です。約300種類の欧文書体が収録されており、それぞれの書体について、特徴的なデザインや使用例、関連する書体などが紹介されています。
書体の解説に加えて、本書では書体の使用法や選び方についてのアドバイスも掲載されています。
モダン・タイポグラフィ 批判的タイポグラフィ史試論
タイポグラフィ史について批判的な視点から解説した書籍です。著者のロビン・キンロス氏は、タイポグラフィに関する著作や編集業も手がけてきた人物です。
本書では、20世紀初頭から現代までのタイポグラフィ史について、従来の教科書的な解説にとどまらず、批判的な視点から深く分析しています。例えば、モダニズムの影響力や、グリッドシステムの普及などについても詳しく解説されています。
タイポグラフィ・トゥデイ:増補新装版
こちらは自身のレベルに応じて学べることがかなり変わってくる書籍だと思います。いまだに発見と気づきが絶えません。あわせてヘルムート・シュミット氏の作品集も購入されるとより深くタイポグラフィを堪能することができるかと思います。
タイポグラフィ・トゥデイ:増補新装版
シュミット・タイポグラフィ ヘルムート・シュミット作品集
おわりに
タイポグラフィとは何なのか。その答えは初めは勉強すればするほどわからなくなるかと思います。
ですが色々な文献を読み解いていくに従って、モヤがかっていたものがだんだん晴れていくことも感じていきます。
タイポグラフィとは何なのか、を他人に問われた時に「文字を使ったデザインです」と安易に言ってしまわないように、さまざまな解像度で言及できるよう私自身も日々勉強をし、最適解を見つけていきたい所存です。