コンセプトメイクに役立つ、オススメ書籍をご紹介します

デザインには欠かせない「コンセプト」。自身が講師を務める学校の学生さんや、MENTAでお声がけいただく多くの方は、このコンセプトがなかなか思いつかず、カタチを考える手前で苦戦されていることが多い印象です。
なぜ「コンセプト」に苦戦するのか。それはコンセプトを考えるための材料(情報等)が揃っていないことや、そもそもの考え方のフレームワークを知らないことが起因しています。

デザイナーはデザインを説明する義務があります。なぜこのようなデザインにしたのか、思いついたのか。そして、なぜこのデザインが良いと思っているのか。それらを説明するにはやはり「コンセプト」が不可欠です。
今回はそのデザインの土台である「コンセプト」を考える上で参考になる書籍をご紹介いたします。

目次

考具 ―考えるための道具、持っていますか?

この書籍は「コンセプト」以前に、「考え方」について、マインドマップ5W1Hオズボーンのチェックリストブレーンストーミング等のたくさんの方法、「考えるための道具」が記載されています。古本も多く出回っておりますし、まず手始めに一冊として凄くオススメです。何から手をつければいいかわからないときや、考えが飛躍しない時の手助けになってくれる良書です。

考具 ―考えるための道具、持っていますか?

観察の練習

この書籍は「コンセプト」を考えるための材料を探す目を養う練習に適しています。その案件は何が問題なのか、見落としているところはないか等、なかなか鍛えることができない観察眼を鍛えることができます。美大生は知らず知らずのうちにデッサンでこの観察眼を養ってはいますが、それは造形的な観察眼であって、不可視な要素や構造を観察するための目を養えます。オマケとして一緒にデッサンの教則本「脳の右側で描け」もオススメしておきます。

観察の練習
決定版 脳の右側で描け

進化思考――生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」

こちらはたびたびご紹介しています書籍で、様々なイノベーションを生物の進化の観点から読み解いていく書籍です。
この書籍から派生して、沢山の事柄に興味を抱くキッカケにもなりました。
デザイナーが読むリベラルアーツに関する本の入り口としても良いのではないかと思います。

進化思考――生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」

自分が欲しいものだけ創る! スープストックトーキョーを生んだ『直感と共感』のスマイルズ流マーケティング

こちらもたびたびご紹介しています書籍で、数多あるマーケティング関連の書籍の中でも特に影響された書籍です。
なかでも「N=1」という概念は時代ともとても合っていて、様々な気づきを得られました。

自分が欲しいものだけ創る! スープストックトーキョーを生んだ『直感と共感』のスマイルズ流マーケティング

コンセプトが伝わるデザインのロジック

先にご紹介した「考具」と同様に一冊目として強くオススメできる書籍かと思います。見開きで内容が簡潔しており、とてもわかりやすく図解もされています。ただ鵜呑みにすると正直まずいことも書かれているようにも思うのでこちらの書籍で学んだことを活かしながらも深く学び直すことをオススメいたします。

コンセプトが伝わるデザインのロジック

伝わる[図・グラフ・表]のデザインテクニック

少し変わって、プレゼンの際にコンセプトをうまく伝えるための手助けになる書籍も紹介しておきます。プレゼン資料に組み込むと理解を手助けしてくれるようなグラフや図がたくさん収録されていますのでぜひ参考にされてください。

伝わる[図・グラフ・表]のデザインテクニック

言語ゲームの練習問題

最後に、難しいですが思考を鍛えるのにとても有益な書籍を。世界のあらゆるふるまいを説明しつくそうとしたヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論をわかりやすく伝えてくれる橋爪大三郎さんの著書です。優しくはしてくれているとはいえ小難しくはありますが、とても良い書籍なので是非手に取っていただきたいです。こちらの書籍を読んでヴィトゲンシュタインにご興味が湧くようであれば「ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想」も合わせてどうぞ。

言語ゲームの練習問題
ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想

おわりに

人それぞれ思考パターンが違うことで多種多様なコンセプトが生まれます。コンセプトを考える際、どこを足掛かりにするかでもたどり着く答えは変わります。観察する対象、考えるための素材選び、等様々なことがトリガーとなりコンセプトが生まれ落ちます。とてもいいコンセプトが思いついたとしても、その伝えられる言葉自体が美しくないと自身が思っているよりもうまく伝わらないこともあります。
コンセプトは必ず美しく、感情に響く言葉にデザインして伝えることを、心がけることがより良いデザインの第一歩かと思い、私は日々のクリエイションに取り組んでいます。コンセプトの小さな火種をもとに、大きな灯りを灯すように創造できれば素敵なのではないかなと思います。

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