デザインの話「STORAGE」

2021年11月、京都の百貨店・藤井大丸の倉庫、「ブラックストレージ」で開催されました体験型グループフェアショー、「STORAGE」ヴァリアブルロゴならびに宣伝美術一式を担当させていただきました。

本企画は2名のキュレーター、
渡邊賢太郎さん・黒田純平さんの共同主催により企画されています。
また、ACK(Art Collaboration Kyoto)のサテライトプログラムでもあります。

作成しました内容は、

  • ロゴデザイン(ヴァリアブルロゴ)
  • フライヤー(A4)
  • ポスター (A1・B2)
  • ステートメントパネル(W1800 ×H900)

になります。

はじめに、本企画の説明をキュレーターの渡邊さんからお伺いしました。
「STORAGE」という名前にした背景、そして、この企画を通して何を発信していきたいのかをお聞かせくださりました。その想いを受け取り、まずはこの「STORAGE」のロゴの在り方を考えました。

目次

ロゴデザインの話

当展示会は一回限りではなく、今の時代背景を踏まえた展示空間を作り、若手アーティストたちの発表の場となることで、それを「文化」として、記録・保管しながら、発信し、未来に繋げていく活動だということをお聞きしました。
「STORAGE」という命名はまさしく言い得て妙であると感じ、記録・保管そして発信というキーワードを元にロゴデザインを考察しました。

本来保管する倉庫はしっかりと閉じられていることを前提としていますがこの「STORAGE」は、記録・保管・発信をしていくということを前提としている企画です。
この企画意図をしっかりと受けとり解釈し、
「開かれたSTORAGE」をコンセプトとしてロゴタイプを作りました。

記録・保管する場としての強度を骨格に落とし込みつつも、全ての文字を閉じずオープンに開かれたカタチにすることにより「発信」をイメージしています。
そしてシンボルマークであるボックスは、様々なモノを記録・保管出来るよう、柔軟に形を変えられるヴァリアブルな概念を表したシンボルとして可変し機能することを想定しています。

フライヤーの話

表面は黒と特色の銀の「計2色」ではなく、
CMYKの4色と特色の銀の「計5色」を使用しています。
グラフィックを生業にしている方はお分かりかと思うのですが、黒はK100%だと印刷では茶色掛かった黒になってしまうので、今回はCMY(C60% M40% Y40%)を混ぜたいわゆる「リッチブラック」という黒にしています。

※リッチブラックは印刷所によっては凄く煙たがられるので使用を想定されます場合は一報入れたほうが良いです。印刷所により推奨されているリッチブラックの配合があるのでそちらもお聞きしたほうが良です。
今回はより黒を引き締めたいため、シアンを20%多めにした配合にしています。

紙は Mr.B スーパーホワイト 180kg を使用しています。
この紙は印刷面がグロスが効いたように仕上がる紙で色が沈み込まず、手触りもしっとりとした風合いがあるファンシーペーパーになります。皆さんご存知のグラフィックデザイナー田中一光氏が開発に携わった紙としても有名です。

当フライヤーには他にも実はある「仕掛け」を施しています。
その仕掛けとは「STORAGE」のコンセプトそのものを体感できるもので、このオモテ面の大半を占める特徴的な「ボックス」を光に透かすと、裏面に記載されている展覧会ステートメントと、参加作家情報がピッタリと収まっていることがわかります。是非実物をお持ちの方は透かせてみていただけると幸いです。
※実物で確かめていただきたいので、あえてそちらの写真は載せないようにしています。ご了承ください。

おわりに

当展覧会では、如何にデザインをアートと結びつけるかを考えながら制作いたしました。
「STORAGE」という名前を元に、どのようなデザインが考えられるか。企画コンセプトでもあった「記録・保管・発信」を示すためにはどうすれば良いか。また、自身にとってのアートとはどういったモノなのか。問題定義を自主性を持って行い、その定義に対して否定的な立場から再定義・挑戦をする姿勢のことを私はアートだと思っています。
今回は、この展覧会自体が「ロゴを持つ」という意味性や、「STORAGE」そのものの言葉の意味の解釈を見つめ直すところから始めた次第です。

様々なことを改めて考え直すことが出来た、そんな幸せなお仕事でした。

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