デザイナーの方に少し読んでいただきたい話

デザイナーの方に少し読んでいただきたい話

海を渡るとそこには先住民がいます。
話す言葉は全く違い、食されているモノや、生活様式、時間軸も違うかもしれません。

デザイナーはデザインをする人、すなわちデザインのプロです。
私はデザイナーを一種の「翻訳家」だと思っています。

翻訳を分解すると大きくは二つ、そしてもう一つ踏み込んで分けることが出来ます。

  1. 直訳(原文の字句・語法に忠実に翻訳すること)
  2. 意訳(原文の一語一語にこだわらず,全体の意味をとって翻訳すること)
    そして
  3. 超訳(意訳をより洗練したもの)

です。

人が言葉や意味、事柄を理解するためには文章表現だけでは心許なく、その人の生活様式や文化的な背景等も影響してきますので、そこには様々な教養と理解、そして何より解像度の高い問いと答えを要します。

デザイナーはAdobe等のクリエイティブソフトを筆記用具とし、それらを駆使して日々様々なものを作り上げています。お題は都度代わる代わり、経験したことのない業界のデザインを任されます。

この記事の冒頭に戻ります。

海を渡るとそこには先住民がいます。
話す言葉は全く違い、食されているモノや、生活様式、時間軸も違うかもしれません。

まずはその業界の方が話している言葉の違いに衝撃を受けることから始まります。
そして、その業界の方が何を見聞きし、何を体験し、何を基準とし、どのような生活をされているか。
これらを知ることでその業界の言語体系、文化体系を理解し、その理解したものをまた「違う島の方」にわかりやすく伝えるべく、ヴィジュアルや言葉に置き換える作業をしていきます。私はこれがデザインだと思っています。

ここでデザイナーにとって翻訳とはどういうモノなのかを掘り下げていきたいと思います。

「直訳」はクライアントさんが仰られているコトを、「ブレのない認識」で形にすることです。オペレーティングな認識もありますが決してそうではありません。
ここには私たちデザイナーの解像度の問題がのし掛かります。「ブレのない認識」で形にするためにはどうすればよいでしょうか。ディレクションやマネジメント等、そこにも様々な入り口があります。クライアントさんはその業界ではプロではありますが、一歩業界から外に踏み出すと我々と変わりません。そして伝えるプロでもありません。ですのでクライアントさんから提示された条件等が「100%のものである」という認識は出来ないのです。
直訳は何度も言うように「ブレのない認識」で形にすることです。
100%のものではないモノを100%にすることは決して出来ません。そこまでデザイナーは補完することは出来ませんし、出来ると思ってはいけません。翻訳は物語の解像度を上げることはあっても、創作をしてはいけません。
「0から1を作ります」ということや「オモイをカタチにします」と謳っている方は少し注意してください。「無から有」を生み出しているのはクライアントさんです。もし「0から1を作ります」ということを言うのであれば、クライアントさんの言われていることを無視し、全く別のサービスを提供する傍若無人さが、、、これ以上はやめておきます。

直訳について言葉足らずですが、このように私は自分なりに翻訳し考えています。
意訳、超訳についてはまた別の機会に。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

特に大きなオチもなく失礼いたします。
また続編をお待ちいただければ幸いです。

デザイナーの方に少し読んでいただきたい話

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